巨匠DVD「よういち&かず」発売記念インタビュー

インタビュー お笑い × 芸人

公開日:2015/05/27

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本日、5月27日に巨匠のベストコント集が収録されているDVD『よういち&かず』がコンテンツリーグよりリリースされた。
このDVDには今まで巨匠が積み上げてきたベストネタが12本収録されており、彼らの人間の業を具現化する世界観を知るには充分な内容となっている。
今回、闇と光が交差する彼らのコントを深く掘り下げるべくLAUGH MAKERでは巨匠の2人に話を聞いてきた。

「マジかよと思いましたね。だってTSUTAYAとかに並ぶんですよ?」(岡野)

ーーまずはDVD発売が決定したときの思いなど教えて下さい

岡野:マジかよと思いましたね。いいんですか?ってのが先ですよね。だってTSUTAYAとかにでるんですよ? そんなことあります?と同時に、まぁその……印税。

本田:何回それ言うんだよ!いいでしょもう!ずっと言ってるし(笑)

岡野:嘘はついちゃダメでしょ?

本田:嘘じゃないかもしれないけどさ!

岡野:バレちゃうから!

ーー(笑)。当初「はじめての印税生活」がタイトル候補にあったそうですが、「よういち&かず」になった経緯を教えて下さい

岡野:単純に候補をだした時に難色を示されたので、真逆にいってやろうと、一番ポップなやつにしましたね。…もうねヤケクソ(笑)。

本田:(笑)。

ーーなかでも自分たちのお気に入りのネタはありますか?

本田:「ごめんね」ですね。

岡野;僕はもちろん全部ではあるんですけど、「概念漫才」とか「おじさんを作るおじさん」とかはいいなと思うんですけど、もしかしたら面白くないかもしれないな……。

ーー(笑)。諸刃のコントということですか?

岡野;そうですね。僕は好きだなってのはあるんですけどね(笑)。

ーーコントの順番をこのように構成したのはなにか戦略があるんですか?

岡野:入りやすいようには一応してます。最初に「概念漫才」とかやられても、お客様が一個目で辞めてしまうという恐れがあったので、なるべく見やすいようにしました。「日本の教育」ってやつが一番ポップなんですよ。だからそこでつかめたらいいなと。

ーーということはだんだん後のコントになるにつれ今の巨匠さんに近づいていく感じですか?

岡野:そうです。中盤は飛ばして頂いても…。

本田:ダメでしょ(笑)。

岡野:好き嫌いがわかれるんでね。嘘です。全部見てほしいです(笑)。

ーーDVDを見させて頂いたのですが「ごめんね」など、本田さんのサイコパスなキャラが出るネタが何個かあると思うんですが

岡野:実は「ごめんね」に関してはめっちゃ特殊で、最初ちょっと違う設定で作っていたんですけど、やっていくうちに全然面白くねーぞって思ってたんです。ただ本田が何回も「ごめんね」のフレーズを練習をやっているのをみて、「こいつきもちわりーな」って思って(笑)。それを取り入れてやっていくウチに面白くなっていって。

ーー決めうちで作ったわけではないんですか?

本田:これだけですね

岡野:練習していく内に変わっていきましたね。練習していきながらネタが変わるってあんまりないんですけど、これだけは根本が変わりましたね。

ーー人間の奥底に眠る業の部分というか汚い部分というかそういうものを表現したネタが多いと思うのですが…結成当初からそういった題材のものは多かったんですか?

岡野:最初はそんなことないですね。愉快なネタを目標にしていました。たださっきも言いましたけど嘘ついちゃダメだということでね。そういうネタが増えていきましたね。おじさんが多いのも僕、演技が得意じゃないっていうのもあって、おじさん限定なんですよ。消去法でもありますし、おじさんが好きだってのもあるっていう。

kyosyou_3※岡野陽一

「技術面でやらせて頂いてます」(本田)

ーーネタはどうやって作っているんですか?

岡野:根本は変な設定を真面目にやるってことですね。まずは単語を思いついたものを全部メモするんです。その中から厳選していきます。例えば「お金を吐くおじさん」って書いたメモの紙を置いてずっと見るというか。台本書いちゃうと僕怠け者なんで書いた通りにやっちゃうんですよ。これで決定ってなっちゃうとダメだから、「お金を吐くおじさん」とはなんのかをずっと考える作業が長いですね。

ーー本田さんはネタづくりには参加されないんですか?

本田:一切しないですね。道具づくりだけです。技術面でやらせて頂いてます。

ーー巨匠さんのネタを見させて頂くと、どこにも属さないエリアにいるように感じるのですが。

岡野:僕はパチンコの生活が長いんで、18歳から25歳くらいまでをパチンコ屋で過ごしてたんですが、多分そこで歪んでいったものはあると思います。多分その8年くらいってろくなことなかったと思うんです。誰とも遊んでないですし、麻雀もめっちゃ好きなんですけど友達2人しかいなかったんで3人でやってましたし。だからそのへんで人格が歪んでいきましたね。人と話さない時間がすごく長かったんで。

ーー小さい頃はもっと素直だったんですか?

岡野:僕小さい頃は神童って呼ばれてたんですよ。小学校の時に毎日勉強も真面目にやって、クラスで1番とか2番でしたし運動も普通にできたんで神童って呼ばれてた……と思うんですよ(笑)。

ーー本田さんは小さい頃どんな子供だったんですか?

本田:まったく勉強をやらなかったですね。ずっと外で走り回って遊んで、家が貧乏だったんで娯楽がなかったですね。

岡野:悲しいなぁ…

本田:(笑)。だから外で遊ぶしかなかったですね。

ーーファミコンみたいなのもなく?

本田:ごめんなさい。ファミコンはありました(笑)。

岡野:なんだよ!コイツ貧乏っていうくせに意外とファミコンとか持ってるんですよね。

ーーそうした中でお笑い芸人を目指すことになると思うんですが、そのキッカケは?

岡野:ずっとなりたいなとは思ってましたね。中学の時にはダウンタウンさんの「ごっつええ感じ」とか大好きでしたし、やりたいなと思ってたんですけど、僕流されやすいんで大学くらいでパチンコにハマっちゃって、ずっとパチンコをする生活でした。すげー楽しいからお笑いのことなんて忘れてましたね。で、地元の福井県の工場のところで先輩に誘われて2年くらい働いていたんですけど、ある時に芸人やりたいんだったと思いだして応募しましたね。

本田:僕は小さい頃からお笑い番組を見てまして、高校3年生くらいの時に決め手になったのが「リチャード・ホール」(フジテレビ系)でした。その番組には人力舎の芸人さんがたくさん出られいていたので、人力舎の養成所に入学しました。

ーーそこの養成所で2人が出会われると思うんですが、コンビ結成のキッカケは?

岡野:最初の養成所の飲み会で隣同士だったってだけですね。1回とりあえずってことで組んだのがキッカケです。だから他を経験してないんですよ。

本田:なんでそんなに嫌そうに(笑)

ーー(笑)。本田さんにしかだせない空気感とかもあるじゃないですか。

岡野:そうなんですけど、でも他を経験してないから…まったくわからないですからね。他のコンビがどんな悩みがあるのかとか。

01

「一瞬おじさんがわかった瞬間があった」(岡野)

ーーコンビ結成7年目ということで、巨匠のターニングポイントはここじゃないかな?というエピソードはありますか?

岡野:個人的な話ですけど、最初おじさんにこだわってなかったんです。ですが、去年か一昨年くらいのあるライブで、一瞬おじさんがわかったと思ったんですよ。なんかねわかった気がしたんです。おじさんってこうやるんだって。ちょっとコツを掴んだというか。ネタ的な話で言うと、嘘をつかない、ちゃんと思っていることをいれるようになったっていうのはありますね。

ーー確かにメッセージ性が強いネタが多いですよね。

岡野:漫才ってお互いのリアルなものを入れた方が面白いっていうじゃないですか。それをコントに入れた方がいいかなって思いますね。入れた方がなんとなく楽しいですよね。

ーー実はこういうこと言ってんだよっていう

岡野:そうです。後付けも全然あるんですけど(笑)

ーー本田さんはターニングポイントはいつ頃だと思いますか?

本田:小道具が大きくなりだした瞬間ですね。

岡野:あった?

本田:あったね

岡野:あーでも小道具が大きくなっていったのは、普通にやってちゃ勝てないと思ったんでしょうね。他の人に勝てないから、見た目とかで汚い手を使おうって言うのはあったかもしれないです。

ーー個人的な見解ですけど、芸人さんに好かれるようなネタが多いなぁと思うんですが、一番最初にその台本を見た時本田さんはどう思われますか?

本田:3回くらいやって初めて理解できるというか、最初じゃちょっとわかんないですね。

岡野:お、お前最初理解してないの?

本田:流れとかそういうのはわかるけど、細かい部分まではわからないです。どういう感情でとか。何回かやっていくうちにこういうことだったんだってのはあります。

岡野:初耳です(笑)

ーーネタをDVD化にするにあたって、ネタをブラッシュアップしたものはありますか?

岡野:ありますね。「森守」のネタで冒頭に1人死んだっていうやつを削りました。

本田:(笑)

岡野:ブラッシュアップじゃないですね。切ったっていうことですが(笑)

ーー例えば今回のDVD収録用に何年か前のネタを披露することもあったと思うんですが、やはり前の自分と変わった部分はあると思いますか?

岡野:めっちゃありますね。演技力も見せ方もそうだと思います。「お金を吐くおじさん」に至っては、今までお金をめっちゃ吐いたんで絶対ウマくなってますからね。

本田:吐き方がね

岡野:そうそう。吐き方選手権があったら1位2位とれますよね。総額30万くらい吐いてますからね。

ーー今回のDVDの発売やキングオブコント2014でファイナリストになって、さらに仕事の幅が増えたと思うのですが、心境の変化はありますか?

岡野:ありがたい話ですけど、慣れないとこはありますよね。今もそうなんですけど、ライブ中心でたまにTVの仕事をさせてもらうんですけど、やっぱりネタ以外ででるって難しいですよね。

本田:まったく前にでれないですね

ーー想定はしていきますよね?

岡野:そうですね。思っているのじゃないですね。あと僕、週に4回くらい休みがないとダメなんですよ(笑)。

本田:(笑)

ーー8年間の蓄積ですかね(笑)

岡野:そうですね。3回か4回はなにもない日が欲しいんですよ

ーーでも休みの日とかにネタづくりをされるんじゃないんですか?

岡野:最近自分を諦めたというか、僕コツコツやれる人間じゃないんですよ。「2ヶ月後に新ネタ10本やるライブやります」って言っちゃえば、やらざるをえないじゃないですか。そういう手法で自分で追いこむというか。そうしないとやらないんで、自分に見切りをつけたんですよ。だから厳しくします。これからは。

kyosyou_2※本田和之

「料理の鉄人が終わったのがショックです」(本田)

ーー今度DVDを出すとしたらどんなものを作りたいですか?

岡野:特典映像とかいれてみたいですね。本田のルーツを探ってみたり、お母さんに本田のインタビューしたりね。「本当は嫌いなんでしょ?」みたいな。

本田:(笑)。料理関係のことはやりたいなって思いますね。

岡野:こいつネタやらずに料理ばっかやってるんですよ。毎日料理作って。でも、1回ライブにカレーを持ってきたことがあって、まわりはめっちゃウマいって言ってましたよ。

ーー岡野さんは食べなかったんですか?

岡野:食べないっすよ。きもちわりーでしょ(笑)。手で触ってますしね

本田:そりゃ触るでしょ!

ーー将来的に、料理関係の番組とかしたいんじゃないんですか?

本田:あーそうですね。料理の鉄人が終わっちゃったのがショックですね。出たかったんですよ!鉄人側で。

岡野:でれねーよ!なんで鉄人でお前が出てくるんだよ。

ーー(笑)。挑戦者ではなく、3人の鉄人側ですか?

本田:そうです。戦いたかったんですけどね。くっそー。

ーー今後のコンビの展望はありますか?

岡野:東京ドームでやってみたいです。みんなでエンターテインメントというか。ディズニーとかジブリみたいな。僕大好きなんで。

ーー巨匠さんのネタは結構両極端にあるようなものだとおもうんですが

岡野:おじさんをディズニー化する作業を頑張ってるんですね。

ーー本田さんは?

本田:やっぱ料理になっちゃいますね。なにかしらの番組にでたいです。

岡野:マジかよ。そのためにコンビ組んでんのか?お前ヤベーな!

ーー巨匠さんのファンにむけて一言!

岡野:とにかく買ってほしいです。買うと印税が……。というのは冗談で、夜中にこっそり見てほしいです。絶対面白くないよって人も出てくると思うんです。その中で、私は面白いよって頑張って生きてほしいです。

本田:仕事とか疲れている方とかいらっしゃったらこれを見て、リフレッシュしてもらいたいなと。

岡野:なる?(笑)。

取材・文・写真:フリーライター浜瀬将樹

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