笑いと不快の境目

お笑い × 効果・効能 仕組み

公開日:2014/03/17

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ビートたけしさん、出川哲郎さん、キンタロウさん。みんな日本で有名なお笑い芸人ですが、好き嫌いの分かれる芸人でもあります。共通点は、意味のないことをやり過ぎたり、人(自分)をおとしめることをやり過ぎたりする場合があることです。そこが面白いと感じる人もいれば、くだらないと感じる人もいるわけです。

この感じ方のスイッチは、受けて側の常識や文化にゆだねられる部分が大きく、一般社会でも、相手がどういう人か理解して冗談を言う必要があります。なぜならば、不快と笑いの境目は受け手に何らかの共感を与えられるかどうかであるからです。たけしさんのように悪ふざけをしてみたい、自分がやってみたかったタブーを疑似体験したり。出川さんのどこまでも自虐的な姿に感動したり。キンタロー。さんを見て、前田敦子さんはやはりちょっと変わっていると感じていたことを再認識したり。そんな、受け手との接点があってこそ、ギリギリの笑いは受け入れられることができるのです。

笑いの前提が共有されているか

ギリギリの笑いに対する反応の例を、あるYouTubeのコメントから見てみましょう。

「フランス国営テレビの『お笑い日本の実態!』」と題されたYouTubeの動画が再生回数106万回を超え、コメント数は1000以上もついています。実際のフランス国営テレビのニュース番組を使い、美人アナウンサーが話すフランス語の音声にデタラメな日本語のテロップを流しています。

テロップの内容がワイプ映像として映し出されるのですが、ほとんどが政治批判であり、ブラックジョークのようなつくりになっています。ワイプ映像の中でフジテレビの小倉アナウンサーのカツラが取れるなど、小ネタも散りばめられています。

http://www.youtube.com/watch?v=kNR6NZm9Pps (YouTube動画「フランス国営テレビの『お笑い日本の実態!』」)

しかし、これを見た人の反応のほとんどが、「なんでこんなデタラメな映像を作るのか」という真面目な批判のコメントでした。ほとんどの人がこのYouTubeを笑いとはとらず、不快な悪フザケに感じていたのです。

もし、同じことをゴールデンタイムにたけしさんがコントとしてやったらどうでしょうか。「また変なことやってるな」という感想を持つ人と同じくらい、「また面白いことやってるな」という人が現れるのではないでしょうか。それは、たけしさんという有名な芸人さんだからというよりも、ブラックジョークをやっています、という笑いの前提が示されているからです。

オチ・笑いの間の大切さ

お笑い番組のように、あからさまな前提が作れない場合もあるでしょう。そんな時でも、笑いであるという印象を受け手に与えることは可能です。際どい芸人を観察していると、2つの特徴が見えてきます。

1つは、きちんとツッコミを入れられるような言動をすることです。出川さんやキンタロー。さんのように、どこまでもやり倒すことで、周りからきちんとツッコミを受けることができます。ツッこまれることで、全体がオチとして完結し、笑いの形がうまれます。

もう1つは、話し手が笑ってしまうこと。たけしさんや爆笑問題の大田さんのように、しゃべりながら、ニヒルに苦笑する間を作ったり、最後に舌をぺろっと出すことで、半分本気だけど半分冗談でやってるよという空気感を作り出しているのです。

YouTubeの例では、そういう構造がなく、どっちつかずのままであるところが、受け手に不信感を抱かせたのでしょう。共感を持ってもらうことと、そのための構造をうまく作ることが、ギリギリの笑いを成功に導く鍵であるかもしれません。

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